うつ病を未然に防ぐ防衛本能
1日遅れのメリークリスマス！！我が家では24日はケーキを食べ、25日はケンタッキーフライドチキンを食べました。食べてばっかりでクリスマスってこんなんだっけって感じです。ああ、初々しいカップルとしてイルミネーションの街を歩くような過ごし方はもう戻っては来ない…
さて、話は変わります。以前の記事で少しお話した、退職を願い出ていた方の続報です。詳しくは↓
たまたまその職員と2人で話す機会があり、その時に退職が決定したと報告がありました。以前の曇った表情とは一変し、晴れ晴れとした爽やかな笑顔が印象的でした。次も介護職として働きたいという希望はあるようですが、今回の一件で自分の守備範囲の狭さを実感し、転職活動は慎重に行いたいと話していました。
介護職が退職する際、その理由として主だった理由として
- 給料が安い
- 人間関係
- 仕事がしんどい
このあたりが多いのですが、話を詳しく聞くとその職員の場合はこの中のいずれにも当てはまりません。簡単に言うと『特定の利用者が嫌い』という理由だったのです（厳密にいうと“仕事がしんどい”に分類されるかも…）。確かに、人には好き嫌い、合う合わないがあります。それは利用者であっても同じ人ですから同様です。ただ、私達は仕事をしているわけですから、単なる好き嫌いだけで物事を判断する事は出来ません。
それに、『嫌い』ではなく、加齢に伴う頑固さや、認知症による周辺症状が激しい利用者等に対しては『苦手』意識を持つ職員も多くいます。それは対応自体が難しい事もありますので、そのような意識を持ってしまう事はよくあります。しかし『苦手』と『嫌い』という言葉、似ていますがニュアンスが少し違いますよね。『苦手』という意識は取り組み方によっては克服可能ですが『嫌い』という気持ちは根強く、利用者と職員との相性の関係もあるため改善はあまり望めません。
ただ、先程も言いましたが仕事ですから、例え『嫌い』であっても公平な介護を提供する必要があります。この職員はそのあたりもわかっており、自分が公平に接する事が出来ない状態になっている事を悲観し、それ以上の行動（虐待等）に出てしまう前に退職する事を決断したというのです。
真面目で偏差値も高い職員で、どのような時にも冷静に物事を判断する印象でしたが、そんな人が自分の行動を抑止出来ない状態にまでなっていた事に“恐怖感”を覚えました。数ヶ月前から自分の中で葛藤があり、辞める判断をしてしまったら自分が負けた事になるんじゃないか等、気持ちは揺れていたそうですが…。
話を聞いてこれがエスカレートすると、利用者もそうですが本人が自分を追い込む結果となり『うつ病』的な何かを発症する可能性があると私は感じざるを得ませんでした。すでに精神を病んでいる状態ですから本人が一番そう感じた結果の判断だったのでしょうが。まさに防衛本能が働いた印象を受けました。
その職員の場合、先程も記述しまししたが、退職が決定してからはそれまでの塞ぎこんでいた表情から一変し、晴れ晴れとした爽やかな笑顔になっていましたから、退職という事が本人にとって最善の療法だったのかなとは思います。私達が何か出来る事がなかったかという気持ちもありますが、特定の利用者との合う合わないに関しては、様々な人間が働いており、様々な利用者が暮らしている関係上、どのような場所でも発生する可能性があります。
それに対しての解決策として、職員の異動という手もありますが、この職員の場合は今の気持ちのまま他の部署への異動する事は、移動先の現場に迷惑だろうという事で断ったそうです。こちらから出来る事は、そのような提案、またはその時の気持ちを傾聴する事だとは思いますが、根本的な解決法にはなってはいないような気がします。
まぁ、根本的な話をするなら、その人が介護職に向いているか向いていないかという話になり、適正的にどうなのかという事になってしまいます。ただ、仕事として割り切る事が出来る人と、いくら仕事であったとしても自分的に絶対に許せない部分が強く妥協出来ない人がいますから、一概に適正を判断する事も出来ないかなと。
性格なんてものは、生まれてきてから少しづつ形成されていき大人になるにつれ、完成していきます。ですからちょっとやそっとの事では、自分の中の価値観を変えることなど出来ませんし、その必要も無いかなと思います。しかし、仕事として必要であれば自分の中の価値観に対してある程度の妥協もしなければいけないような気がします。それが出来るか出来ないかがその職に対しての適正なのかなと思うのです。
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