相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

介護施設を辞めるタイミング

介護士とは過酷な仕事ではありますが、一つだけ良い点?があります。それは「いつ辞めても大丈夫」だという事です。というのも、介護業界は慢性的な人手不足ですから、より好みしなければ次の職場はすぐに見つかるのです。今回は「いつ辞めるのか?」「今でしょ!」という事で、介護施設を辞めるタイミングについてのお話です。

 

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アベノミクスの新3本の矢の③つ目に「介護離職ゼロ」が掲げられています。これには、自身の親の介護の為に今の職場を辞めなければならない状況をゼロにする意味と、介護職を辞める人をゼロにする意味合いが含まれていると思います。

 

前者については早急に手立てを考えていただきたいと思います。だからといって新しい介護施設を乱発して作るのだけは辞めていただきたい。どれだけ施設が出来ても、働く人間がいなければ何の意味もありません。同時に介護士の育成に努めていただきたいと強く願います。後者についてはこれからお話する部分です。

 

介護施設を辞めるタイミングはいつなのか?

介護職を10年以上経験していて、一つの施設しか経験していない人間は極めて稀と言えます。それだけ自分に合っていた職場に初回から巡り会えた事は素晴らしいとは思いますが、実際にそうなる人は極々一部の限られた人だと言えます。

もちろんそれは介護職に限ったお話ではなく、他業種で合ってもそうです。大卒で大手企業へ就職しても、案外数年で退職するパターンを良く聞きます。

介護職に関して言えばそのペースはもっと早いと言えます。辞めてもすぐに次が見つかりますから、他業種よりも気軽に辞める事が出来るのです。良いのか悪いのかわかりませんがそれは事実です。

 

逆に一つの介護施設に長く努めるメリットはあるのか?

どの介護施設も介護士不足に悩まされています。重複しますが、という事は介護士は今働いている施設が何かしらの理由で辞めたいと思った時に、いつでも辞める事が可能だという事です。

そういう現実がある中逆に「一つの施設で長く勤めるメリット」が希薄であるのもこれまた事実なのです。

 

一般的な企業であれば、毎年の昇級や長年働いていればそれなりのポジション等が与えられる事が多いと思います。

残念ながら介護職には単純にそれは当てはまりません。昇級に関しては、元々の月給が少ない中、更に少ない昇級があった所で何年いても大した額にはりません。それなら転職して、福利厚生等も含め数万円差のある施設に行った方が割が良いという場合も少なくありません。

 

昇格に関して言えばもっとシビアです。介護職のポジション争いはかなり過酷です。大多数の現場職員がいる中、介護リーダーや主任に抜擢される人間は極僅かです。その上は介護長の様な職種があったりなかったりしますが『現場職員→介護リーダー(主任)→介護長』への道のりは単純に『平社員→係長→課長』の道のりよりも長く狭く険しいと言えます(課長は管理職ですから、介護施設で言えば施設長ですね)。

 

大多数の介護職員の中からたった1人の介護リーダーになる事が第一の難関です(ユニット制であれば、各ユニットにリーダーが必要なので少しニュアンスは変わります)。また介護施設に限った事ではありませんが、誰かがそのポジションについたらその人が何かしらの理由でそのポジションを辞するまでは、その抽選すらされないのです。

という事は、何十年も平の介護士として働き続ける可能性が十二分にあるのです。上昇志向のある人であればここで考えなければなりません。このままで良いのか、と。

 

そこまでして同じ施設に長く働き続ける理由が貴方にありますか?

 

じゃあ結局いつ辞めるの?

お恥ずかしながら「今でしょ!!」としか言えません。辞めたいと思った時に辞めるのが介護という特殊な職場の現実です。自分に合わないと思った段階でさっさと辞めるべきだと言えます。そういう働き方をする以外に、働く側のメリットは皆無なのです。

 

もちろん将来、介護士が飽和状態になった時にはこの考え方は改めなくてはいけませんが…そんな時代きますかね?

 

また別の視点から言えば、色々な施設を経験する事も自身のスキルの向上には必要だという事です。これも介護という特殊な職場ならではなのですが、介護職のスキル向上の一つとして「たくさんの利用者を知る」という事が言えます。これは「狭く深く」よりも「浅く広く」が求められていると言う事です。

同じ職場で同じ利用者と毎日関わる事で得られるモノも多いとは思いますが、結局は介護士に求められるのは臨機応変力です。こういう場合にはこうする事が望ましいという手法を自分の頭と身体で覚える事が大切なのです。たくさんの利用者を知る事によって、大まかなパターンを構築させる事が出来るのです。

荒業とも思われますが、結局はそれが一番の早道である場合が多いのです。

 

こんな事を言っていますが、私の本音はもちろん違っています。どうせ働くなら慣れた職場で長く続けられる事が良いに決まっています。願わくば、同じ職場で長く働ける事にメリットが感じられるような、そんな介護の現場になって欲しいと思わずにいられません。

 

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