エプロンをトレーの下に敷くのは拘束!?
身体拘束とは特に介護施設において重要な項目です。身体拘束委員会等を施設内で定期的に開催するべしというお達しもあります。
さて、突然ですが配膳の際にエプロンをトレーの下に敷く行為は拘束なのでしょうか?今回はそんな拘束のお話です。
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配膳の際、エプロンをトレーの下に敷く行為が拘束にあたるって本当ですか?
— けんでぃーびすた (@kendyvista) 2019年8月8日
加藤の乱じゃないですけど、一気に介護を辞めたくなりました。
いや、辞めないですけどね。こんな失望、今に始まった事では無いですし。
身体拘束とは簡単に言ってしまえば利用者を紐や、ベルト等で固定してしまい、自由に動けない様にしてしまう事を言います。
しかし、その定義が揺るぐ事があります。
例えばスピーチロックってやつですね。
『座ってて下さい』と言う声かけ。
これがスピーチロック、いわゆる言葉の拘束と言われるやつです。
これも身体拘束。
いや、ここでは身体拘束と言われているという表現にしましょうか。
本来、人間は自由であるべきで「身体を拘束される行為など家畜以下の行為である」と言う考えの元、身体拘束は廃止するべきであると定められているわけです。
これは誰が聞いても納得です。
それが認知症の方であっても変わりません。歩きたいという欲求を阻害される理由など、本人からすれば意味がわからないわけですから。
一人で歩行すると転倒間違い無しという人であっても、本人が「行ける」と判断したのなら一人で行きたいわけです。完全に判断ミスであっても、それを本人が「行ける」と判断した時点で自己責任なわけです。
だから、これに関して
『座って下さい』
のような否定的な言葉は身体拘束と言えるのです。介護士の都合なわけですから。介護士がたくさん配置されていれば、その人がどこに行こうと一緒に付き添えばそれで済むわけです。転倒しないように、見守りを行う事が出来ればそれで解決するのです。
身体拘束に関しては、これ以外にも様々な事例があり、それの良し悪し等議論される部分は多いとは思いますが、合わせてグレーゾーンと呼ばれる拘束が存在しています。
その一つが冒頭の「配膳時にエプロンをトレーの下に敷く行為が拘束にあたる」です。
私がこの件を目にしてからTwitterでつぶやいたところ、たくさんのご意見をいただきました。
結論から言うと、これはグレーゾーンではないかと。完全なYESとも言えず、完全なNOとも言えないというわけです。
ただ実際に施設によってはこの行為が拘束に該当する為、食事の際にこの行為を禁止するところもあるそうです。
という事は、YESと判断している施設もあるわけです。
要は、トレーの下にエプロンを挟み込む事で、利用者の動きの制限を行っていると判断しているのです。たしかに、首の動きは多少制限されているでしょう。間違ってはいません。
介護者からすれば、食事の際の残渣が床に落ち、その後の掃除が大変になる事を考慮しての行為ですから、完全に介護士の都合と言えるわけです。利用者にとってはどっちでも良い話ですから。
ただ、ここまで身体拘束の定義が厳しくなってくると、全ての行為が拘束に繋がっているのではないかと皆が疑心暗鬼になる可能性もあり、この判断は難しいと言えます。
私個人的には、介護士都合もやむを得ずと言う部分もあると思っています。本人にとってマイナス部分が多い身体拘束ですが、今のような不足した人員ではそうせざるを得ない場面が多くあります。
一応、切迫性、非代替性、一時性の3つをクリアすれば、とりあえず拘束やむなしと判断され、身体拘束を実施する事は可能ですが、もちろん同意書が必要で、廃止に向けての検討を続ける必要もあり、別の手間がかかってきます。
<さいごに>
介護士不足のこのご時世、身体拘束が無ければ対応不可能な事例も数多いと思います。そんな中、厳しい身体拘束の定義が増えてくると、より一層介護業界の将来が見えなくなり、介護士のなり手が減少してしまうのではと懸念してしまいます。
もう少し柔軟に車のハンドルの「あそび」の部分を増やして欲しいなと個人的には願っています。
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