相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

常時見守りが必要の常時って何?

 認知症の周辺症状により、歩行不安定にも関わらず立ち上がりが頻回で、常時見守りが必要な人がいたとしましょう。常時見守りなど、自宅でも施設でも不可能です。ではどうしたらよいのか。今日はそんなお話です。

 

スポンサーリンク

 

f:id:kendyvista7:20190413072510j:plain

 

先程の件ですが、まず常時見守りの定義が必要かと思います。基本的に、施設ではそういう人に対して常時見守りを実施している事にはなっています。ちなみに「常時」の定義ですが…

 

大辞林 第三版の解説

じょうじ【常時】

 
 特別な事のない時。普段。 「健康の-とは心意の趣を異にする/思ひ出す事など 漱石
 (副詞的にも用いる)常にそうであること。いつも。 「 -観察を怠らない」

 

上記のような定義がなされています。

これに基づくと、実施不可能です。介護施設は一対一の介護ではありませんから。多かれ少なかれ必ず見守り出来ない時間というのは存在します。

 

では、立ち上がりが頻回な人の対応としてどうすれば良いのでしょうか。

 

一つは「転倒する前提で介護をする事」です。私個人的に、歩いている人間は認知症である無しに関わらず、いずれ転倒すると考えています。これは遅かれ早かれいずれそうなるという事です。極端にい言えば、"生きているものはいずれ死ぬ"に近いかもしれません。

 

転倒するという事は当然本人に痛みを伴います。骨折するかもしれません、外傷を伴うかもしれません。出来る事なら回避したいところですが、いかんせん常時見守りというのには限界があります。となれば、転倒も致し方のない事であると割り切るというわけです。

 

ただ、これは職員が割り切るというお話です。家族が同じ様に割り切っているかどうかはわかりません。大抵はそうはならないでしょう。施設にいながら、なぜ常時見守りが出来ないのか。そう思われる方も多いのです。

 

利用前の説明で「転倒する可能性もゼロではない」という説明はしますが、重点的にそこの部分ばかりを説明するわけにはいかず、家族の理解が薄い場合も多々あります。それを含めて「転倒する前提で介護をする」という事になります。

 

施設介護はこういう割り切りが必要です。人員配置がいくら多くても、100%転倒を防ぐ事は不可能なのです。簡単に言えば、この方法は認知症対応の基本である対処療法です。可能な限り転倒を予防する事に務めるが、もし転倒してしまった時は「ゴメンナサイ」です。

 

職員はやれるだけの事はやった結果「ゴメンナサイ」せざるを得ない状況になってしまう事は少なくありません。これは本人も、家族も、職員も心が痛む結果となります。が、この「転倒する前提で介護をする事」は通常の介護現場では比較的オーソドックスな手法です。

 

2つ目の方法としては、抑制する事です。いわゆる身体拘束です。本人の意志(認知症の時点で立ち上がりたい事が本当に本人の意志なのかはわかりませんが)を完全に無視して、T字ベルト等を使用し立ち上がれなくしてしまう方法です。ただ介護施設では身体拘束がご法度と言われています。

 

基本的にこの身体拘束をせずに介護をする事が指示されていますので、最終案にも出てこないのが現実です。簡単に言うと、この抑制するという方法は非現実的だという事です。

 

<まとめ>

認知症の周辺症状により、歩行不安定にも関わらず立ち上がりが頻回で、常時見守りが必要な人に対する介護方法として考えられるのは

 

「転倒する前提で介護をする事」

・「身体拘束の実施」

 

上記の2案です。

中には、服薬調整等で落ち着かれる人もいますし、ADLの低下で徐々に動く事が少なくなる人もいます。まさに十人十色ですから、これに限った話ではありませんが、直近で何が出来るかと言えばこの2案に落ち着くと考えられます。

 

ちなみに、99%が転倒する前提で介護をする事になります…

 

↓良ければ押して下さ〜い↓\(^o^)/

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 介護ブログ 介護職へ
にほんブログ村 

 

スポンサーリンク

 

スポンサーリンク