相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

デスクワークと現場の違い

私は介護の仕事にトータル10年以上関わっており、その内の半分以上は介護現場で働いています。現在は相談員ですからデスクワーク中心ですが、時には現場職員の人員不足等で応援に行く事もあります。今回は、どちらが良いとかの話ではなく、その「違い」について書いてみたいと思います。 

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隣の芝生は青い

有名なことわざですよね。

私が現場で介護士として働いていた頃、デスクワークをしているケアマネや相談員が呑気にコーヒーを飲みながら仕事をしてるのを見て「楽そうな仕事やな〜」と感じていました。さらに言えば、家族の面会があった時にだけ事務所から出てきて挨拶したり、たまに電話で関係各所へ連絡したりするだけのお仕事だと、そう思っていました。

 

経験してみなければわからない

実際に、相談員となりデスクワークが中心になった時、私のイメージは間違っていたんだと思いました。別に呑気に働いていたわけではなかったのです。私は現場とデスクワークの業務の違いに気が付いていませんでした。上辺だけの評価しかしていなかったのです。そこには組織的な役割分担があったのです。

 

デスクワークと現場の違い

本題です。箇条書きにしてみます。

 

デスクワーク

①う◯こが手に付かない

介護現場は3Kと言われています。「汚い」「キツイ」「給料安い」の3つです。この内の「汚い」部分だけデスクワークには存在しません。基本的にオムツ交換、トイレ誘導等はをしませんから。残りの「キツイ」「給料安い」は共通です。もしかすると、これが唯一のメリットと言えるのかもしれません。とは言え、実は介護現場になれた人間ならわかると思いますが、う◯こが手に付く事など日常茶飯事ですから、大袈裟にいちいちその事を気にする人間などいないのですけどね。

 

②クレーム処理をしなければならない

生活相談員がそういう仕事内容です。家族の窓口はやはり事務所になり、必然的に対応するのは生活相談員になります。家族としては現場に対してのクレームだったとしても、現場職員に直接言う事は気が引けます。生活相談員が現場職員の代わりに謝る事も良くあります。それを現場に伝えて逆に現場から非難される事もしばしばあります。生活相談員はいつも様々なモノとの板挟みです。

 

③施設全体を把握していなければならない

これは施設の規模にもよりますが、私の施設はユニット制ですから、各ユニットの状況を把握しておく必要があります。もちろん細かくではなく大まかに。毎日大まかに把握するように勤めていれば、その内に細かい部分にまで目が届くようになってきます。また、朝出勤したら昨晩の最新情報もチェックしておく必要があります。 これは、家族からの問い合わせや、緊急の受診や入院に備えるためでもあります。生活相談員は情報力がモノを言います。様々な情報を仕入れておいて損はありません。全てが業務の何かに繋がります。

 

 

介護現場

①う◯こが手に付く

これは付きます。当たり前のように。ただ、上述しました通り現場職員にとっては日常茶飯事ですから、もし付いたとしてもそれ程大袈裟に言う事でもありません。皆慣れていますから。良く言えばプロフェッショナルですから。言うなら、移乗介助や入浴介助のような体力を使う事の方が大変であったりします。他人のう◯こが手に付いたら確かに不快です。気分が悪いですよね。ただ、それだけであれば大したお話ではないのです。

 

②何かあれば上に対処してもらえる

と言うか、面倒臭い話になったら大抵の場合、生活相談員に話が回ってきます。現場の基本的な仕事は直接的な介護です。厳密に言えば、それだけではないのですが基本はそうです。その分野を逸脱しそうになると、もうそれは自分達の仕事の範疇を超えるという事で仕事を上へ回します。別に無責任というわけではありません。これも役割分担と言えます。全部が全部現場で終わる話であれば、私の仕事もなくなるでしょうから。

 

③自分の働いている現場だけを見ていれば良い

現場職員は介護現場専門です。基本的にそこだけを見て働く事になります。他所の部署、又は他所のユニットの事を気にして働く必要性は全くありません。自分の職場の利用者、時にはその家族だけの対応となります。深く考える事はありません。目に映るその人達に対しての介護を行うのです。シンプルでわかりやすいと言えます。それが介護現場です。

 

まとめ

違いを1から100まで言えば、相当な時間がかかるので取り敢えず大きな差を①から③まで書き出してみました。自分が現場でユニットの取りまとめをしている時ですら、デスクワークの人達の大変さや、業務内容を詳しく知る事が出来ませんでした。同じ介護の仕事と言っても、様々な職種がありますから、実際に自分が経験してみなければわからない事がまだまだたくさんあると思います。

 

デスクワークをしていると楽な仕事なんて存在しないと感じると同時に、自分に合った仕事が出来れば良いなぁと思うようになりました。どうせ大変なら、自分の性分や性格に適した業務に携われる事が出来れば、より一層毎日が楽しくなるのではと思うのです。

結局仕事はお金儲けですから、純粋に楽しさや面白さを感じる事は難しいと思います。ただ、無理して働く事は苦痛ですよね。それは避けたいなと感じるようになりました。自然体で働く事が出来たら、それは私にとっての理想です。

 

また、デスクワークだから現場だからといった固定観念は取っ払う必要があると思います。結局は同じ介護職です。役割分担は必要だと思いますが、背の高い垣根は不必要だと思います。相手を尊重しつつ、良い仕事が出来たらと思う今日この頃です。

 

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