相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

介護用ロボット

近い将来、ロボットが介護する時代が来るような事が言われていますが、実情はなかなか難しいようです。

 


テクノロジーが侵食する介護に期待したい。 - 介護士こじらせ系

 

こちらのエントリーで、介護ロボットについて触れられています。はたして介護用ロボットって現実的に実用化出来るのでしょうか。

 

 

私は、介護士が介護用ロボットを操縦し、安心で安全な介護を提供できれば、ロボットを開発した会社もロボットが売れて嬉しいし、腰を傷めず介護が出来るようになり介護士も嬉しいWin-Winの関係になるのではと思っています。

 

 

ただ、少し前に介護用ロボットを実際に操縦したり、介助されてみる体験をする機会があったのですが、やはりまだまだ実用化への道は険しいなと感じました。

 

 

まず、介護用ロボットってどういうのをイメージしますか?

 

 

2足歩行の人型タイプですか?アームだけのフォークリフトタイプですか?それとも、すでに実用化されている吊り下げ式タイプですか?

 

吊り下げタイプは現在もそこそこ普及してきている印象です。ロボットというよりは、エレベーターを操作する感覚で割り切った介助が出来ます。 


2足歩行の人型タイプのロボットはどうでしょうか。このタイプのロボットが人を介助する時代がくれば、本当に未来がやってきた感がありますよね。

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まさにアイロボットの世界観。あの映画の象徴は二足歩行ロボットが町中を行き交うイメージです。

 

 

ですが、私が体験したのはアームだけのフォークリフトタイプの介護ロボットでした。

 

 

結局のところ、介護現場でロボットが一番必要になる所というのは移乗動作なんですよね。そういう意味ではアームだけのロボットで事足りるとは思います。

 

 

移乗動作を繰り返し行うことにより、介護士の腰痛問題が発生します。

 

 

介護ロボットでこの部分の補助が出来れば、介護士もニッコリなわけです。

 

 

しかし、私が体験してみて感じた一番のネックは手順の多さ複雑さです。

 

 

体験させてもらった時は、ベッドに臥床している人をロボットアームを使用して車椅子に移乗させる取り組みでしたが、臥床している人の下にアームを潜り込ませるまでがひと苦労(アームとアームの間に布を張り担架のようにセットしてあるので、それを身体のしたにセットする所から始めないといけません)で、またそのアームの位置確認を充分に行います(ここをミスすると持ち上げた時に首が異常にまがったり事故に繋がります)。


この様な作業を要しますから、持ち上げるまでに数分を要し、手順の多さプラス複雑さも加味されて、とてもじゃないですがお手軽とは言えませんでした。

 

 

しかもこのロボットアームの動きが非常にゆっくり。これは利用者の恐怖感を和らげるための仕様だと聞きましたが、ゆっくりだけなら素人でも出来ますもの。私達は毎日のんびり仕事をしているわけでなないのです。

 

 

まだまだ現場の人の意見と、ロボットを設計する人の意見が上手く噛み合わされていないように感じました。これからも試行錯誤を重ねて、アイロボットの様なロボットに介護される時代が来れば、介護士は腰痛から解放され、私達が想像している本当の未来が訪れるのではないでしょうか。


※今回はロボットには感情が無いとか、無機質で寂しいとか、人の介護の方が優れているとか、そのあたりの意見とは違い、あくまで介護士の負担を減らすという視点で書きました。


※ちなみに直感的に操作できないという事がロボットアームの2つめのネックでした。やはり介護士目線で言わせてもらえれば、下記のようなパワードスーツ型が望まれますね。

 

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