相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

マスクで認知症対応は難しい

マスク人口は世界でも日本がダントツで多そうですが、それに伴い弊害もチラホラと出てくる様になってきました。マスクは感染症予防や花粉症予防に役立ち、今や無くてはならない存在と言えます。これからもマスクと正しく共存していくために私達はどうすれば良いのでしょうか。 

 

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・マスクが日本で流行した理由 

マスクが日本で爆発的に流行した理由はスギ花粉、感染症、または公害等の増加によるものだと思います。ただ、私個人的には流行した理由の一つにそのマスクそのものの「見た目」に変化があったからであると推測します。

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上記イラストを見ていただければ一目瞭然ですが、2000年頃までは上のガーゼマスクが主流であったと思います。いわゆる給食マスクです。小学生の頃、給食当番になると使用するやつです。洗わないとすぐに黄色くなって汚い印象があります。私が20代前半の頃、冷凍食品の加工会社でバイトしていた頃もガーゼマスクを使用していました。何だかかっこ悪い印象がありました。

 

それが、下の使い捨てマスクが登場してからは、洗わなくて良いしビジュアルもシュッとしている事が要因で大流行したというわけです(これは持論ですが)。しかし、そのマスクにも弊害があります。

 

・マスクによる弊害

「マスクで隠さず唇を見せて」聴覚障害者の願い、ネットで拡散(篠原修司) - 個人 - Yahoo!ニュース

これに関してはは認知症や高齢者との対応時も同様

2017/02/26 17:08

 

高齢者施設ではインフルエンザやノロウィルスの流行時にはマスク着用が暗黙の了解となっています。介護者が感染の媒体になり集団感染になってはいけませんから。

しかし、このマスクは非常にネックです。マスク着用のメリットの一つに相手に表情を読み取られないという部分があると思います。一応隠れメリットに入るのでしょうか。

 

認知症高齢者や高齢者とのコミュニケーションには、言語コミュニケーションももちろんですが、非言語コミュニケーションも多様しながら実施する事になります。という事は、マスクにより顔の半分を覆われたままではそのコミュニケーションに弊害が出る事は容易に想像出来るかと思います。

 

私は花粉症で春だけでなく、夏、秋、冬と様々な種類の花粉に鼻と目がやられてしまいます。ですから、季節を問わず花粉が飛び始めたかなという時期にマスクを装着する事が恒例になっていました。

現場で働いていた私は、当然の様にマスク姿のままで業務を行っていましたが、度々その弊害に悩まされていました。

 

  1. 声が聞き取りづらい
  2. 表情が読み取れない

 

上記が大きな弊害です。高齢者は耳が遠い事がデフォルトです。難聴とまでいかなくても、加齢により少しづつ特に高音が聞き取りづらくなっていきます。マスクをしていると、布一枚が口の前に壁となり立ち塞がる事になります。たった、布切れ一枚なのですが、口元が見えない事も災いして相手に伝わらない事が激増したのです。

 

人は読唇術とまで言わなくても、話を聞く時には耳と目を使っています。どの様な言葉を発しているのか、どの様な表情でそれを言っているのか。その言語と非言語両方を合わせて理解しているのです。これが実施出来ない事は高齢者にとっては大変痛手です。相手が何を言っているのかたちまちわからなくなってしまうのです。

 

認知症の方になるともっと大変です。それでなくても理解力が低下しているのにも関わらず、相手の言っている事が聞こえにくいし、表情も見えないし・・・。認知症の方からすれば、マスクの人間と会話する時には、まるで曇りガラスを挟んでコミュニケーションをとっている印象を受けるのではないでしょうか。

 

この解決法は簡単です。マスクを外して会話すれば良いのです。会話する時だけマスクを外すのです。

ただ・・・高齢者施設でインフルエンザ等の感染症が流行しつつある時には、マスクを着用する事は当然ですから、その様な時期マスクを外してコミュニケーションをする方が不自然です。花粉症程度であれば、会話の時だけマスクを外しても自分にアレルギー反応が出るだけですから、相手に害は全くありません。

しかし、インフルエンザ等の感染症が流行している時に、少しの時間であってもマスクを外す事はいかがなものかと思われるでしょう。私もそう思います。その一瞬で、自分の唾液が相手に飛ぶ事も大いにあるでしょう。自分が風邪気味であったならなおさらそうです。

 

一瞬であってもマスクを外すのなら初めからしなければ良いのです。そう、外すのなら。ですから、結果的にマスクを外す行為は感染予防の面から言えば著しく効果を損なう行為と言えます。

認知症高齢者とのコミュニケーションの成立を優先させるのか、認知症高齢者を感染症から守るのか、どちらを優先させるのかというレベルの話になってしまいます。

 

こういった事から、マスクで認知症対応は難しいという本日のタイトルに繋がると言うわけです。いっその事、限りなく透明に近い素材のマスクが登場すれば良いのにと思います。そうする事によって伊達マスクという存在も無くなりますし、顔を隠す必要性も無くなるのではないでしょうか。

 

※ちなみに私も伊達マスクにはお世話になっているくちです・・・。顔が隠れている事は非常に安心感に繋がります。ゴムがかかる耳の後ろが痛くなる事だけがネックです・・・。

 

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