可能性はゼロではない
介護業界は職員の出入りが激しいと言われています。しかしそれも過去の話。今は『出』が激しく、『入』がありません。辞めていく人は多いですが、その抜けてしまった穴の補充が叶いません。スカスカの人員配置でなんとかやりくりしつつ、入ってくれる人を待つというスタイルが常習化しています。『出入りが激しい』という状態がまだマシだった事に最近になり気付きました。
慰留作戦を実行せよ
そのような状態ですから、人手不足からケアも必要最低限の事しか行えず「こんなのは自分の望んでいた介護ではない」と不満を漏らしながら去っていく職員もいます。いわゆる悪循環ですね。
そんな中、すでに退職を決めたある職員に対し慰留作戦を持ちかける事になりました。しかし予想成功確率は10%以下です。焼け石に水ではありますが、決してゼロではないその可能性に賭けるという事です。なぜか、その場に私も同席する事に…。
結果から言いますと作戦は失敗。1時間以上の作戦が遂行されましたが、その方の意思は固く、新しい場所で働きたいという気持ちで固まっていました。こうなる事はわかっていました。しかし入って来ないのですから引き止めるしかないんですよね。
さて、昨日の記事でも紹介させていただきましたが↓
現在、どの施設も募集広告を出したとしても全く事務所の電話が鳴りません。私の施設でも数年前なら広告を出した日から翌日にかけて10件程度の問い合わせはありました。それがゼロ。末期的な状態です。景気が良くなる反動がこのような所で出てきているのです。景気が悪かったからこそ、低空飛行ではありますが比較的安定している介護職を希望する人がいたわけです。因果なものですね。
話は戻ります。いくら人手不足と言っても誰かれ構わず慰留されるわけではありません。あっさりと「そうですか。残念ですね。」で終わる人もいるのです。私も数年前、特養を辞める時がそうでした。慰留は一切なし。いや、決してそれを望んでいたわけではありませんが無ければ、それはそれで寂しいもんです。
ただ、辞める時という事は、自分の中で色々と考えた結果ですから、他の誰かに何を言われたとしても、それが覆る事ってのは本当は変な話なんです(覆るという事は辞める理由が大した事ないという事です)。そうは言っても、引き止められて悪い気はしないんですよね。不思議なものですね。どうせ辞めるなら、最後くらい気持ちの良い慰留をされるような人物になりたいものです。
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