私が好きな事を仕事にしなかった理由
子どもの頃の夢を実現させている人は、夢に対して努力を惜しまなかった人でしょう。それだけではなく、タイミングや運も兼ね備えていたのかもしれません。
しかし、大多数の人が、夢やぶれて違う道へと進んでいるのではないでしょうか。又は、夢も希望も無く、ただ何となく大学に入学し就職活動があるからという事で、無理やり自分のやりたい仕事を探した方もいるで事でしょう。
私は今、介護業界で働いていますが、もちろん子どもの頃からの夢というわけではありません。あまり業界を悪く言うと、熱意あって働いている方々の反感をかってしまうので程々にしたいと思いますが…。ただ、今自分が介護業界で働いている事を不思議に思う事もあります。
嫌だ、給料低い、面白くない…と思いながら10年間働いているのです。何だか矛盾していますよね。嫌なら辞めればいいと思うのです。続ける事は難しいですが、辞める事は簡単なのです。その割には、いとも簡単に続けられるているのは何故なのでしょう…。
かつて、バッファロー吾郎A先生が言っていました「続ける事も才能の一つだ」と。この発言は、A先生が自分の芸風や認知度を否定された時、つい自分を正当化する為に口にした言葉だったと記憶していますが、そんな何気ない一言が私の心には響きました。そして、出来る出来ないは別にして、その仕事を続けられているという事は何か特別な理由があるのではないかと思うようになりました。
私は子どもの頃から絵を描く仕事に憧れていました。職業としては、イラストレーターやグラフィックデザイナー、漫画家…etc等でしょうか。学校も2年間でしたが、デザインの勉強をしました。そう、学校を卒業するまでは、そういう方面での就職を望んでいたのです。
ただ、自分の実力を知りたいと思って学校に行ったという側面もありました。予想通りと言いましょうか、小さな学校でしたがそれでも自分などよりも才能に溢れた人がウヨウヨおり、私などは到底敵うまいと実感したのです。自分の眼でそれを判断して、自分で諦めをつけたかったわけです。そうでなければ、次の道へ進んでも心残りだろうと思いましたから。ですから、私の絵に対する夢は取り敢えず20歳で終わりました。やりたい事をやらせてくれた親に感謝します。
その学生時代、私が好きな事を仕事にする前に不安に思った事がありました。当時、毎日毎日、課題というな名の宿題が山のように出されており、自宅に帰り深夜までその課題の制作を行っていました。その時、私は描く事が好きであったにも関わらず『もう描きたくない』と思ってしまったのです。所詮学生の宿題の時点でです。
これが、会社で請け負った広告制作の仕事であったならどうでしょうか。私は再び自信を喪失しました。好きな事をやっているはずなのに…。これが仕事であったなら、好きな事が嫌いになってしまうかもしれない…。そういう恐怖感を覚えてしまったのです。
という事で、私の場合夢を諦めるきっかけが2つあります。
- 才能が無いと実感した。
- 好きな事を仕事にする自信がなくなった。
ちなみに
好きなことを仕事にしたほうがいい3つの理由 - 意味をあたえる
こちらの記事では、逆に好きな事を仕事にした方がいいという理由が書かれています。本来、好きな事を仕事にする方が自然の流れですからまったくその通りです。夢を追い続けた結果、憧れの職業に就けるなんて素晴らしいじゃないですか。シンプルイズベスト。
よく、好きなことを仕事にすると、嫌な部分が見えたり、また、気か向かないときもやらなきゃだから嫌いになってしまうから、というのが好きなことを仕事にすべきではない理由の多く、あるいはほとんどであるが、もし好きなことが嫌いになってしまったら、新しい好きなことを見つければいいだけの話だ。好きなことを仕事にすると嫌いになる、というロジックは、ひっくり返せば仕事にさえしなければ嫌いにはならない、ということになるが、当たり前だがそんな保証はどこにもなく、突然嫌になることも、徐々に気持ちが離れることも可能性としてはある。だから、好きなことを仕事にしたら嫌になったというのは、本当は仕事とは関係なく、どっちにしたっていずれは嫌いになるものだったのである。
最後の部分『どっちにしたっていずれは嫌いになるものだった』というのは逆転の発想で目からウロコです。
結局、私がなぜ介護の仕事を長く続けられているのかはわかりませんでした。特別優れた能力があるわけでも無いのに。ですから、もしかすると続けられている理由などは無いのかもしれません。つまりたまたま辞める理由が無かったから等。これからも、その答えが出るかどうかはわかりません。しかし…
先述したバッファロー吾郎A先生の「続ける事も才能の一つだ」という名言を信じて、辞める理由が見つかるまでは続けてみようかと思います。
新品価格 |