夜勤はドラゴンクエスト風
昨日の記事でショートステイでの送迎に触れました。
書いているうちに、当時の記憶が少しづつ蘇ってきたので少し書きます。
昨日の記事です↓
タイトルを見てピンときた方いませんか?
私が働いていたショートステイの夜勤は1人体制。20数人規模のそれ程多くは無い利用者数だったと記憶していますが、その日から初めての利用する人が数人いた時にはいわゆるハズレ夜勤と呼ばれていました。
ハズレがあれば当たりもあるのかと思われますが、当たりはありません。ハズレか普通かの2択です。ハズレ夜勤にあたった場合には、日勤者に必至で当日の様子を聞き取りします。申し送りだけでは不安ですから、質問形式でどんどん聴いて情報収集に努めます。これは、自分を守る為にも必要不可欠です。
これだけ事前準備をしていても、イレギュラー的に様々な出来事が起こります。特養やグループホームは利用者にとっての我が家ですが、ショートステイは仮住まいです。お泊りです。その人には帰る家があるのです。初日など穏やかに過ごせるわけがありませんよね。
何はともあれ
「帰りたい」訴え。
この対応に追われます。
「明日の朝帰りましょう(本当は1週間後)」
「朝になったらお迎えがきますよ(本当は3日後)」
「家族さんからここに泊まるように言われています(責任転嫁)」
「とりあえず寝ましょうよ(やけくそ)」
様々な手法を用いて何とか寝てもらいたいのです。朝が来たら早出も日勤者も来るのです。それまでの辛抱です。決して明けない夜は無いのです。そうやって自分を鼓舞させていました。
しかし、寝ません。そんな簡単に環境が変わって寝れるわけがありません。逆に、そんなに簡単に行くなら家族もショートステイを利用しません。家族の介護の負担軽減に利用しているのです。大変で当然なのです。そういう仕事なんですもの。
『トイレどこ?』
『今何時?』
『帰るのいつだった?』
『お腹すいた』
『寝る前の薬ちょうだい』
私一人に対して利用者20人。限界があります。気がつけば私の後ろに数人の利用者がついてきているではありませんか。
これはドラクエ!
説明して寝てくれるのなら、ぞろぞろ引き連れて歩く必要などないのです。それが出来ないから私(勇者)は仲間(利用者)とともに夜の施設内を徘徊するのです。転倒のリスクもありますから、そこにも気をつけながらとなると、ゲームの勇者の方が歩くだけだから全然楽です。
そして、一番怖いのが脱走。施錠しているにも関わらず利用者が施設外へ出てしまうのです。
私の夜勤では、少し高い位置の窓から脱走された方がいました。1人では絶対に届かない位置の窓です。そう1人なら。協力者がいたのです。利用者が協力しあって脱走したのです。おそらく、協力者が下からお尻を押し上げたんでしょうね。あれには焦りました。巡回していたら窓が開いていたんですから…。
守衛さんと警備会社に連絡し、捜索し10数分後に近所の道で発見しました。車通りが比較的多い立地でしたから、かなりヒヤヒヤしました。
認知症とはいえ、身体能力は並みの人と変わりません。うまくスイッチが入ると、何をされるかわからないから怖いのです。そういう意味で、比較的介護度の低い方が対象のショートステイは大変です。特に夜勤が…
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