相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

新卒の可能性と即戦力の魅力

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先日、私が働いている施設に今年4年制大学を卒業予定の学生(女性)が面接に来ました。これは非常に珍しい事です。青天の霹靂と言っても過言ではありません。

というのも、我が施設で従事する職員の平均年齢は超高齢であり、採用自体も中途採用が専門で、今まで新卒採用など聞いた事も無かったのです。これは立派な事件です。

 

面接の話を聞き、"もしかしたら若い女の子が職場に来るかもしれない"という事で妙にワクワクしました。男なんていくつになっても単純なものです。長年自分の母の年代の方々と働いてきたわけですから、ちょっとくらい喜ばせてもらってもバチは当たらないだろうと…。

 

が...面接後の上層部の表情は固く、即決とは行かなかったようです。理由を訪ねてみると『人柄は悪くはない。良くも悪くも純粋でまっさらな状態であり、全てをこれから習得していく必要がある。』という判断でした。要するに育てていく必要があるという事です。今まで中途採用の即戦力ばかりをゲットしてきた施設ですから、ゼロから育てていくノウハウがありません。そのあたりが非常に心配だという事なのです。

中途採用は即戦力になりますので施設としては非常に手っ取り早いのですが、新卒はそういう訳にはいきません。ベテラン職員達が一生懸命指導しなければいけません。時間も労力も中途採用の比ではありません。

 

介護という仕事はある程度の年齢の方であれば未経験者であっても意外とすんなり溶け込む事は可能です。基本的にコミュニケーションはおばちゃんおじちゃんの方が得意である傾向がありますし、介助技術に関しても子育てを経験した方であれば、単純に子どもの大きいバージョンと考えてもらう事も出来ますから。

 

また、新卒のまっさらな状態である若い女性を熟練の介護士に育て上げる場合、果たしてその場として有料老人ホームが相応しいのかどうかも疑問ではあります。私自身が23歳から*1特養で働き始め、毎日怒鳴られながら介護のイロハを習得してきた口なので、基本的に緩い有料老人ホームがその場として適しているのかどうか。

 

とはいえ、本人はやる気満々であり人柄も悪くないと来れば取らない手はありません。そもそも新卒が即戦力になるわけが無いのです。代わりに脳は真っさらなスポンジ状態ですから吸収力が私達の比ではないはずです。そこに期待しましょう。決して若い女の子だからひいきしているのではありません。無限に秘めた可能性に期待しているだけです。是非入職していただきたいものです。

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*1:私の場合学校を20歳で卒業しましたし新卒ではありませんでしたが)

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