相談員日誌

けんでぃーびすたの相談員ブログ

理想と現実

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理想と現実

可能であれば、誰のお世話にもならず死ぬその時まで自立して生活したいものです。それは果たして『可能』なのでしょうか。

 

介護や支援が必要な人の割合はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター

こちらのサイトのグラフをみると

 

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要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.8%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では28.4%、85歳以上では58.4%となっています。

 

つまり、85歳以上になると、5割以上の確率で何らかの支援、介護必要になるという事です。

 

80歳〜84歳までは約3割、10人に3人という事です。ここのあたりまでなら、何とか回避できる可能性もありそうですが、85歳以上の5割以上となると話はとたんに難しくなります。2人に1人ですから。そうなったら努力だけでは難しい問題です。

 

となると、「誰のお世話にもならず〜」と薄い望みに賭けるより『誰かの世話になる』前提で老後を考える必要があるのではないでしょうか。 国は在宅介護を推奨していますが、それが簡単に出来るのなら誰も苦労しないわけです。

年金が減り老齢になるまで現役で働く必要があるにも関わらず、自分の親、また配偶者の親を在宅介護するなんて事が出来るでしょうか(現にやっておられる方も多数いますが)。

 

施設に入所するという選択肢

考え方は人それぞれだとは思います。私個人的には、やはり特養のような施設がもっと増えるべきだと思うのです。現在私は老人施設で働いています。ですから、私の考え方は世間一般的な施設入所のイメージよりも、比較的寛容な捉え方をしていると思います。

 

とはいえ、やはり一般的には『施設入所=親を見捨てる』様なイメージがあるのではないでしょうか。確かに施設入所となれば自分達の手の届かない所で生活する事になります。

在宅介護をしてきた家族からすれば、今まで在宅で自分達のやってきた介護を施設に入っても続けて欲しいという気持ちもあるでしょう。そのような時、施設介護と家族介護のギャップに戸惑うのです。

施設入所は子どもを保育所に預ける事と少し似ています。今までは自分達が自分達のやりたいように育てて(介護して)きたわけです。ですが保育所(施設)に預けるようになり、自分達の知らない間に怪我をしたり病気になったりするのです。それは当たり前といえば当たり前の事です。

大きな事以外でも、自分達が知らない事や新しく覚えた事を先生(施設職員)から教えてもらう事も増えてきます。家族と過ごす時間が減るわけですからそのあたりは致し方のない事。事前の覚悟がある程度は必要です。

 

まとめ

どの選択が一番幸せなのかは誰にもわかりません。ただ、そんな事よりも、必要に迫られた時にどれだけお互いが歩み寄る事が出来るか、その時の最善策をとる事が出来るかが重要であると思います。

世の中WinWinやハッピーハッピーな結果ばかりではありません。介護業界でもそれは同じです。先ほどは『誰かの世話になる』前提で老後を考える必要があると書きましたが、それも見てくれる人(介護する人)が居なければ成り立たない話ですから、叶うかどうかなんてわかりません。

結局、どの様な結果が待っていようとドンと構えられる様に、皆ある程度の覚悟を持って老後を迎える必要があると思います。日本の超高齢化社会を迎えるにあたり、家族も自分も最後の場所まで想定していて損はないのではないでしょうか。

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